贅沢に触れる機会が多く、生活にも余裕感

1つめのポイントは、現在の25-39歳に相当するミレニアル世代は、10年前の25-39歳に比べて、贅沢に触れる機会が多く生活にも余裕感があることです。
まず、Chart 1に見られるように、贅沢に触れる機会は全年齢層で高まっていますが、微差ではあるものの25-39歳で最も高まっていることが分かります。

Chart1

この10年で、「値段の高いものや高級なものを身に付けることが多い」という意識が、25-39歳では14.5%から26.3%へと12ポイント増加、15-24歳では9ポイント、40-64歳では8ポイントそれぞれ増加しています。

またChart 2に見られるように、25-39歳は、15-25歳と同様に生活の余裕を感じる意識が高まっています。

Chart2

この10年で、「欲しいと思うものは、大体買える程度の経済力はある」という意識が、25-39歳では33.5%から39.1%へと6ポイントの増加、15-24歳では11ポイント上昇、40-64歳ではほとんど変化がありません。

ダブルインカム世帯の増加や結婚や出産を機に仕事を辞める女性が減少傾向にあることが25-39歳の生活の余裕感を押し上げている要因に寄与しているのかもしれません。15-24歳の層では、大卒初任給が2008年から2018年にかけて男女ともに104%上昇(※注1)したことや、有効求人倍率2019年1~3月平均で1.63(※注2)と1974年以来45年ぶりに高水準になったことなどによって楽観的な空気が芽生えているのかもしれません。

身の丈消費など、消費に積極的ではないといった文脈で語られることも少なくないミレニアル世代ですが、消費の対象が「モノからコトへ」と変化しただけで、ミレニアル世代は、その上の世代より以上に贅沢な体験に積極的な世代だということができるでしょう。

また、日欧EPA(※注3)による欧州ワインやチーズの小売価格の低下、プレミアムラインや高級ブランドの低価格ラインの増加、メルカリなどによって高級ブランドが割安で入手できるようになったことなどもこうした意識を支える要因となっていると思われます。

※ 注1:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」による
※ 注2:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」による
※ 注3:日欧EPA(日EU経済連携協定) 

自分目線で今を楽しむミレニアル世代。

2つめのポイントは、現在の25-39歳に相当するミレニアル世代は、10年前の25-39歳に比べて、自分目線で今を楽しむ意識が高いことです。

Chart 3に見られるように、他人への関心が希薄化しているのは全年代に共通した傾向ですが、特に25-39歳の層に際立った傾向だと言えます。

Chart3

この10年で、「他人がどうなろうと、どういう生き方をしようと自分には、全く無関係だと思う」という意識が、25-39歳では37.4%から51.4%へと14ポイントの増加、15-24歳では6ポイント、40-64歳では9ポイントそれぞれ増加しています。

また、Chart 4に見られるように、25-39歳は(15-25歳同様)今を楽しむ意識が高まっています。

Chart4

この10年で、「明日がどうなろうと、今が楽しければそれで構わない」という意識が、25-39歳では19.8%から30.5%へと11ポイントの増加、15-24歳では8ポイント、40-64歳では5ポイントそれぞれ増加しています。

ミレニアル世代は、他人の目を意識したり誰かのライフスタイルをなぞったりするのではなく、自分目線で今を楽しもうとする意識が高い世代であり、ミレアル世代のこうした価値観が日本人全体の価値観を牽引していると言えるでしょう。

ステータスシンボルよりも自分のセンスを拠り所にしているミレニアル世代

3つめのポイントは、現在の25-39歳に相当するステータスシンボルに背を向け、自分のセンスを大切にする意識が高いことです。

Chart 5に見られるように、ステータスシンボルに対する意識が薄れているのは全体的な傾向ですが、特に25-39歳ではその傾向が高まっているようです。

Chart5

この10年で、「ステイタスシンボルを身につけるのは知性のない人の特徴だと思う」という意識が、25-39歳では22.7%から33.1%へと10ポイントの増加、15-24歳では5ポイント、40-64歳では3ポイントそれぞれ増加しています。

それに呼応するように、Chart 6に見られるように、25-39歳は(15-25歳同様)自分のセンスに対する自信が高まっています。

Chart6

この10年で、「デザインとかアートのセンスが高いと周りから評価されている」という意識が、25-39歳では22.7%から33.1%へと10ポイントの増加、15-24歳では4ポイントの増加、40-64歳ではほとんど変化がありません。

ミレニアル世代にとって価値があることは、ステータスシンボルという客観的な評価基準よりも、自分のセンスを表現することにあることだと言えるでしょう。

贅沢の概念は、優越感から自由・解放感へ。

この10年の25-39歳の価値観の変化を分析することで、ミレニアル世代の生活の楽しみ方について3つのポイントが浮かび上がりました。

・贅沢を楽しむ機会が多く生活に余裕がある
・自分目線で今を楽しむ
・ステータスよりも自分のセンスを拠り所にしている

ミレニアル世代にとって、贅沢は当たり前のことになり、あまり頑張らずにフツーに今を楽しむ、そのためにはステータスシンボルではなく自分のセンスを拠り所にした方が価値あることだと言うことなのでしょう。

こうした意識は商品の選択基準の変化にも見ることができます。Chart 7を見ると25-39歳の商品の選択基準は、優越感よりも自由や解放感の重要度が増しているようです。

Chart7

「あなたが、多少値段が高くても買いたいと思う商品とはどんな商品ですか?」という質問に対する25-39歳の年齢層の回答を見ると、「優越感が得られる(商品)」としたのはこの10年で15.5%から13.1%へと3ポイント低下した一方で、「自由や解放感が得られる(商品)」という答えは9.2%から13.1%へと4ポイント上昇しています。

まとめ

ミレニアル世代は(その上の世代に比して)、肩ひじ張らず、ソフトに贅沢を楽しむ世代であり、ミレニアル世代にとっての贅沢の概念は、優越感ではなく、「自由・解放感」というキーワードで示すことができるでしょう。(Chart 8参照)

Chart8

ミレニアル世代もこうした生活心理はテクノロジーの進化と相まって、贅沢や付加価値の概念が拡大し、例えばコモディティプロダクツやサービスに関わる様々な分野での商品価値やブランディングの在り方に大きな変化をもたらすと考えられます。

(了)


本リリース調査結果に関するお問い合わせ:
株式会社リスキーブランド 広報担当
Email: info@riskybrand.com


データソースについて

本分析では(株)リスキーブランドが実施するオリジナル調査「MINDVOICE®」のリサーチデータを使用しました。MINDVOICE®は、商品企画やコミュニケーションなど企業のマーケティング活動を支援することを目的とし、一般生活者(約4000-5,000サンプル/年)を対象に2008年から毎年実施している定量調査データです。

調査対象:全国、15-74歳の日本人男女(世帯年収300万円以上)*2017年までは15-64歳
調査手法:インターネット調査
有効回答:約4,000-5,000サンプル/年*2019年は4,972サンプル
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株式会社リスキーブランドについて

株式会社リスキーブランドは、2001年創業のブランドコンサルティング・ファームです。顧客心理分析を強みに、高級車、ビューティ、高級ホテルでの実績をはじめ、戦略作りからブランディング・デザインまでのブランディングサービスを提供しています。
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